将棋ハンデ:初期盤面評価値と実際のレート落ちの関係

これまで3つの記事で将棋のハンデについて検証してきました。一つ目は標準的に行われてきた駒落ち(香落ち、角落ち、飛車落ち、二枚落ち)、2つ目は81Dojoの管理者が提案されている駒得によるハンデ(歩得、香得、角得など)、3つ目は電王戦の企画で行われたポナンザチャレンジに現れた「両成」「竜王」などのハンデです。これらのサイト、企画では初期盤面の評価値でハンデの大きさの目安にしています。実際、これは評価値と勝率の関係もある程度知られているのでもっともらしい評価だと思います。 一方、私のサイトでは実際にそのハンデでソフト同士を対局させたときに勝率が五分になるソフトのレート差がどの程度かという考え方で実際のハンデの大きさを評価してきました。いろいろ調べてみると、初期盤面の評価値と実際のレート落ちの関係が必ずしも簡単な比例関係にならないことが分かってきました。この結果については何度かツィートしていますが、コンピュータ将棋の専門家でもあまり知られていないと思われるので独立した記事にまとめることにいたしました。 私の調査では上手として主に浮かむ瀬(Apery sdt4 2016冬, R3674)を用いています。現時点で最も上位のソフトであり、定跡なしのレートが測られているソフトなので駒落ちなどの変則将棋のレートを測るのにはちょうどよいと思われます。実際にどのような勝敗であったのかは以前の各記事を参照してください。それらをまとめると以下のようになりました。(初期評価値は浮かむ瀬に約5億ノード読ませたときの評価値、対抗ソフトの項は浮かむ瀬にハンデを課したときにほぼ互角になるソフトを指します。) 初

電王ポナンザ企画で出てきた新ハンデ

3月11日~12日にニコ生で行われていた電王戦プレイベント「人類vs電王ポナンザに勝てたら300万円」企画、今回からハンデ付きのチャレンジが可能になり、大変興味深いイベントとなりました。特に、飛車落ち、角落ちなど昔から行われてきたもの以外に、「両成」「竜王」という選択枝も入り、どんな将棋になるのだろうとわくわく致しました。平手で勝利すると賞金300万円全額もらえるのですが、「飛車落」「両成」で勝つと賞金30万、「角落」「竜王」で勝つと賞金100万円に減額というルールです。 これまで将棋のハンデでどの程度レーティングが落とせるのか調べてきましたので、今回も同様に調べることにいたしました。上手としては浮かむ瀬(R3674) を使います。現在最上位にいるソフトで、ノートパソコンにCPUをダウングレードされたポナンザに近い実力を持つと推察します。 両成 初期画面で下手側の大駒が成り下手から始まるというルールです。浮かむ瀬による初期状態の評価値は1196(約5億ノード)で飛車落ち(評価値1077)よりやや大きいので飛車落程度のレート落ち-R900位-が想定されました。賞金金額も飛車落ちと同じで、運営側もその程度のハンデとして考えていたと思われます。 実際に下位のソフトと対局させると、上手側の大ゴマが残っているためそれらを有効活用されると下手は結構大変だということが分かりました。下手として互角だったのはGPSFish_minimal (R3036)で 浮かむ瀬(上手)55-47 GPSFish_minimal (R差27) 駒落ちした浮かむ瀬のratingはR3063、平手との差は611と

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